母子の体と心もまるく、その秘訣は胎児から ①

Ⅰ.骨盤ケアとの出会い

私は、東京の自由が丘でベビーサイン・ヨガ・骨盤ケア・まるまる育児など各種教室を開催している「みひかるサロン&助産院」の代表をしています。

生まれ育ちは千葉県で、日本赤十字看護大学助産課程を卒業し、助産師と保健師の資格も取得した後、成田赤十字病院とその後は東京の育良クリニックで働いていました。

結婚後、なかなか授からないためアルバイトに変わった矢先に妊娠はできたものの、ひどいつわりに切迫早産、とても働き続けることはできず退職しました。専業主婦となり、一人で育てる孤独感や、上の子のときには幼稚園ママも経験し、少しずつ仕事に復帰して現在に至っています。

この一般的な子育てを経験したことが、今の仕事のきっかけになったように思います。

育良クリニックは当時、助産院並みに自然分娩を扱う病院だったため、担当したお産が途中で進まないときは「自分の技術がもっとあればいいのに」と落ち込むことも度々でした。そんなときに、渡部信子先生のホームページで「骨盤の凸凹に児頭の骨が引っかかる」という記事を発見し、「これだ!」と衝撃を受けました。私の技術不足もあるかもしれないけれども、「骨盤という新しい領域を習いたい!」と思ったのです。

しかし、当時の私はつわりと切迫早産でセミナーの受講はできそうになく、臨月に入りやっと、外出ができ、渡部信子先生の施術を受けることになりました。渡部信子先生から、「あ~こんなふうに下がっている人はお腹も張るんや」とあっさり言われ、自分で体感していた内臓下垂感が切迫流早産を引き起こす原因になっていたことに、納得したのです。

子宮頸部が短いので1日6錠も張り止めを服用していましたが、生まれそうな強い張りではなく、バネ秤のバネが重力で伸びたように、「子宮が下がるから張っているだけ」のように感じていました。結局、陣痛発来は予定日を越えてからで、あの当時、骨盤がゆるむから内臓や子宮が下がり、切迫早産になると気づいていたのは渡部信子先生だけではないでしょうか。

これだけ感銘を受けておきながらも2人の子育てで、たまたま始めたベビーサインの魅力にはまって、教室を開講、順調に生徒数は増えていき、骨盤のことは念頭にない10年を過ごしました。

赤ちゃんにサインをやみくもに見せても、なかなか覚えません。手遊び、発達の段階など「ママが赤ちゃんの体と心を理解できるようになることが大切なんだ」と痛感するシーンに度々出会いました。また、1歳前後の赤ちゃんの育児は個別差が出てくるので、その相談にも必死に答えていました。

ここでベビーサインについて少し紹介させていただきます。

ヒトの脳は、情報の8割を目から得ていると言われています。ですから、しゃべれない時期の赤ちゃんには、耳からの情報だけでなく、手をはじめ全身を使ったジェスチャーや表情など、目からの情報も同時に送り届ける方が、言葉を覚えるうえでメリットが大です。

1歳前後の赤ちゃんは、何かを伝えたくても、泣くことしかできない子が多いものですが、「もっと欲しい」とか、おかゆを食べていても「バナナ!」とサインで意思表示する様子は、わが子ながら驚きでした。

また、分かってもらえた自信というものが愛着形成・コミュニケーションの土台作りとなり、ベビーサインのメリットが評価されています。

この10年で有名になってきたベビーサインですが、私の講師歴は17年も続いており、ここ5年ほどは毎年生徒数ナンバー1となっています。それだけ、1歳前後の育児は悩みが多く、心だけでなく、体の発達、子育ての仕方も含めて相談できる人が必要なのだろうと考えています。