母子の体と心もまるく、その秘訣は胎児から ④

Ⅳ.秘訣は胎児期から

発達の学びを深めていくと、「もしかして私のお腹が狭かったのですか?」と気づくこととなります。ママを落ち込ませたくはないのですが、どこかで原因を受け入れることで、ご自身の姿勢直しにも、取り組みやすくなります。

「えー大人になってもなおるんですか?」とよく驚かれます。「赤ちゃんほどなおりませんがゆっくりと改善はできます、私がそうですから」とお伝えしています。

妊娠中から通われていた方には、骨盤ケアは「胎児ケア」という話にも多く時間を割きます。「目からウロコです」とはよく言われます。「こんなに大切なことがなぜ広まらないんですか?!」と怒る方もいます。

どんなかわいい育児グッズを買おうかと夢と希望にあふれている妊婦さんに、「首や背骨を守れるグッズを選びましょう」とお伝えしても、「えー皆が使ってるのに」、と困惑させてしまいます。しかし、最近問題になっている子どもの姿勢や歯並びの悪さは元をたどれば胎児期から始まっていること、そして胎児期を逃したとしても背骨のカーブの基礎が作られる0歳の内からケアをすることが重要であることを伝えています。産後に困る方を多く見ていて、みひかるは駆け込み寺のようになっていますので、ついつい使命感を持って妊婦さんには熱く伝えてしまいます。

Ⅴ.逆子・お腹が下がっている妊婦さん、長時間働いている妊婦さんへ

みひかるでは勤労妊婦は約8割です。「昼休みと夕方には、骨盤高位になって体操をして、下がった赤ちゃんを上げ、胎盤内の血の巡りをよくしてあげてね」と伝えています。

骨盤ケア教室は、ここ2年間では約180人に受講していただきましたが、逆子が治らない場合は個別整体を、と伝えておき、29週までに受けられた方はその後の個別整体で全員頭位になりました。また、34週で初めて指導した方の中にも、36週で治ったケースがあり、主治医から驚かれました。

ただ逆子が治ったとしても、逆子の期間が長い場合には反り返って激しく泣き、股関節が固くあぐらをかけない子が多く見られます。そうならないよう、「妊娠中にまるまる育児を少なくとも1回は勉強しましょう! 生まれたらすぐに始めましょう!」とお勧めしています。

Ⅵ.これからの課題

心をまるくする最たるものが、愛着形成だとしたら、以前はこのことに早く気づいてもらえるよう支援するだけで済みました。でも最近は、あまりにも「寝ない」、母乳も十分出ているのに「飲めない」、抱っこしても「泣き止まない」赤ちゃんが増え、「大変すぎる育児」の渦中で、愛着など感じる余裕がないママが増えています。

支援者は、「赤ちゃんが泣くのは個性だから」とか、「ママがおおらかでいれば大丈夫よ」という精神論で片付けがちですが、それではどうにも解決しないケースが増えていることを知ってほしいです。ママ達からは「精神論はもうやめてほしい」との悲痛な声が、次々と届いています。

近隣の母乳育児相談室や産婦人科で働く助産師さん達も、直接母乳ができない場合は「“みひかる”ってところがいいわよ」とお伝えくださるようになりました。経験を積んだ助産師でも困るくらい、胎児や乳児の姿勢に異変が起きています。

胎児や乳児からの姿勢の大切さを、一部の助産師だけが伝えても信用されにくく、なかなか広まりません。でも、歯科の先生など多方面の専門家が、それぞれの立場から姿勢の大切さを啓蒙してくださるようになってきました。「まるまる育児をやってみたい」と思うママ達もここ1-2年でとても増えています。

こんな時代に、ママ達の身近にいる助産師・保育士・歯科衛生士などが、赤ちゃんを優しい抱っこで寝かしつけることができたり、「こうやってやるのよ」とコツを指導できたりすれば、とても信頼されるでしょうし、救われるママ達も増えることでしょう。

その優しい子育て、方法論としてはまるまる育児が広まることが、虐待の目をつむことになると考えています。

今思うと、カルチャースクールに営業に出かけて、交渉したり、どのくらいの価格が適切かなどを考えたりしながらの講師業が「みひかるサロン」を立ち上げてからの経営にも役立っていると実感しています。「骨盤ケアとまるまる育児を全てのママが地元で受けられるシステムを早急に作らなければ」と痛感する今日この頃、培ってきた営業・経営の経験を生かして、「何とかしたい」とうずうずしている私です。

Ⅶ.さいごに

実は私自身が、お口ぽかんで、姿勢が悪く、背中に定規を入れられる、低体温でよく風邪をひく、卵牛乳アレルギー、内股、よく転ぶ、内斜視、小学3年生からめがね、中学生では側彎症、歯の矯正と、現代っ子に増えている子のさきがけのような子どもでした。

でも、親をうらむ気持ちは、不思議と全くなく、知らなかったんだからなと思うだけです。

姿勢をなおしたいと思ったママ達、「ごめんね」と落ち込んでいる場合ではなく、取り組みを始めてほしいと思います。