骨盤ケアで改善! PART3整体施術と骨盤ケアクラスで得た低値の帝切率 ③

7.考察

  1. B群における帝王切開の適応理由の半数が骨盤位であり、骨盤位を減らすことが帝王切開を減らすことにつながると考えられる。
  2. B群で骨盤位のために帝王切開となった人は、当サロン初来室時も骨盤位であった。
  3. 34週以後に初来室する妊婦の主訴のほとんどは、重症の腰痛である。そのような場合、激痛のため日常生活にもかなりの支障を来たしている場合が多い。そのため疼痛緩和ケアを優先せざるを得ない。その結果、疼痛の訴えの少ない妊婦に行っているようなケア、つまり骨盤位が治るためのケアにまでは手が回らないのが現状である。
  4. 34週以降の初来室の妊婦の平均施術回数は1.8回であるが、帝王切開は37週で行われていることが多いため日時の余裕がなく、疼痛の訴えがない骨盤位妊婦の施術回数は1回しか確保できないことが多い。

8.結語

妊娠34週までに骨盤ケアを開始したA群は、妊娠34週以後に骨盤ケアを開始したB群より有意に骨盤位や帝王切開率が少なかった。施設において妊娠初期から妊婦自身が骨盤をセルフケアできるように指導することにより、早産や帝王切開率を低下させることができると推察される。なお、切迫早産、及び、早産のために入院した人はA群・B群ともになかった。

今回は当サロンの予約システムの都合上、妊娠34週を区切りとしてデータを収集した。しかし、この結果を見て、単に妊娠33週迄に施術を受ければ良い、妊娠中に施術を2回以上受ければ良いと理解していただきたくない。母子整体研究会では妊娠初期からの骨盤ケアを提唱しているが、当サロンの妊婦の初来室時の平均週数は妊娠26週であり、妊婦健診を実施している施設に比べ、ケア開始時期は遅くならざるを得ない。

妊婦健診を行っている施設において、腰痛などが重症化しないうちに、また、早産や骨盤位予防のためにも、妊娠初期からの骨盤ケア指導がなされることを切に願う。