トコちゃんベルトの安全性― 縦型オープンMRを用いての検証 ②

2) 着圧測定器
骨盤ベルト着用に際し、安全性と一貫性を確保するため着圧測定を実施した。測定用具は、ケープ社製携帯型接触圧力測定器「パームQ (品番:CR-490)」(図5) を用いた。着圧の設定は、10 ~ 15mmHg (以下, 基本圧とする) とした。

図5:携帯型接触圧力測定器パームQ
図5:携帯型接触圧力測定器パームQ

 

3) 血流計
骨盤ベルト着用による血流障害の有無を検証するため、下肢の血流変化をレーザー微小循環組織血流計「アドバンス社製, ALF21D」(図6) により測定した。

図6:レーザー微小循環組織血流計ALF21D
図6:レーザー微小循環組織血流計ALF21D

 

3. 評価方法

1) 縦型オープンMR
内子宮口および膀胱頚部の位置を客観的に評価するため縦型オープンMR (General Electric(GE) 社製0.5 テスラSIGNA SP/2) (図7) を使用した。

図7:縦型オープンMR
図7:縦型オープンMR

 

①撮影方法
縦型オープンMR を用いて座位における骨盤内臓器の矢状断面をスポイルドグラディエントエコー法によるT1強調にて撮像した。

②MRI撮影時の留意点
MRI 撮影は、滋賀医科大学医学部附属病院内のInterventional Magnetic Resonance 室で行った。

撮影前には事前に、専門医による安全管理講習を受けた研究者が、オリエンテーションおよび副作用の説明、メディカルチェックを対象者に実施し、医師または専門のスタッフが撮影を行った。1回の撮影時間は10分程度であった。撮影日時は、対象者の都合を考慮して調整した。

③画像の評価方法
画像の評価には、アプリケーションソフトSP Image Browserを使用した。画像のうち恥骨、尾骨および膀胱頚部が最も鮮明なものを選し、恥骨下端と第2 尾椎を結ぶ恥骨尾骨ライン(Pubococcygeal Line,以下PCラインとする)を基準とした膀胱頚部および内子宮口までの距離を計測した(Fielding, 2002 ; 図8)。計測に際しては専門医に指導を受け計測による誤差を最小とするため、専門医と計測値の一致を確認した。

また、計測による誤差は平均0.6±0.7 (最小0.1 ‐ 最大2.1) mmであるといわれているため(二宮, 2010) 1画像につき2度計測を行い、平均値を算出した。計測は全て研究者が一人で行った。

図8:膀胱頸部、内子宮口の計測方法
図8:膀胱頸部、内子宮口の計測方法

 

2) 骨盤ベルト着用による副作用の聞き取り調査
骨盤ベルト着用による副作用の発症について、対象者に対し研究者が聞き取り調査を実施した。聞き取りの時期は、分娩後1 か月、2 か月のMRI 撮影時に実施した。調査の項目は、「下肢のしびれ感」「下肢の冷感」「下肢静脈瘤」「圧迫感」「擦過傷」「疼痛」「搔痒感」「汗疹」の8項目とし、 各項目の有無を確認した。