骨盤ケアで改善! PART10妊娠に伴う腰背部痛・骨盤痛のメカニズム ②

4. トコちゃんベルト着用前後における姿勢変化

今回トコちゃんベルトによる即時効果を見るため、脊柱弯曲測定装置(Index 社製Spinal Mouse)(図5)および足圧分布測定装置(Medicapteurs 社製Win-Pod)(図6)を使用し第7 頸椎(C7)から第2 仙椎(S2)までの脊柱弯曲の変化と足圧分布の変化を検討した。

図5 Spinal Mouse
図5 Spinal Mouse
図6 足圧分布測定装置
図6 足圧分布測定装置

 

症例1:Aさん(妊娠20週)

妊娠前から腰痛あり。測定時に初めてベルトを着用し、腰痛の軽減が見られた症例である。

図7 着用前後での脊柱弯曲の変化(左)および足圧分布の変化(右)

 

本症例では足圧分布には大きな差が見られないが、脊柱のアライメントにおいて後方に倒れていた体幹全体が垂直に戻っている(図7)。

後から見ると両足部の中心に対して骨盤から上が左へ並進している。横から見ると骨盤を前方に突き出し、体幹を後傾していたが、ベルト着用後は骨盤を後方へ引くことができるようになり、体幹も垂直に近くなっている(図8)。

図8 後方から見たの姿勢(左)および横から見た姿勢(右)
図8 後方から見たの姿勢(左)および横から見た姿勢(右)

 

症例2:Bさん(妊娠35週)

妊娠17 週頃から日常的にトコちゃんベルトを使用している。測定時の疼痛はほとんどなし

図9 着用前後での脊柱弯曲の変化(左)および足圧分布の変化(右)
図9 着用前後での脊柱弯曲の変化(左)および足圧分布の変化(右)

 

本症例では脊柱アライメントにはほとんど変化がないが、右に偏っていた重心が正中に近付き、ほぼ左右均等に体重がかかるようになっている(図9)。

ベルト着用前は骨盤が右に傾斜し、肩も右が少し下がり気味だったが、着用後は左右の高さがほぼ均等になっている。また、肩甲帯が屈曲して(肩が前に出ている)、顔がうつ向き気味だったが、しっかりと胸を張って前方を向けるようになっている(図10)。

図10 前額面上の姿勢(左)および矢状面上の姿勢(右)
図10 前額面上の姿勢(左)および矢状面上の姿勢(右)

 

今回の測定では、以前から習慣的にトコちゃんベルトを使用している症例が多かったこと、使用のきっかけが腰背部痛や骨盤痛ではない症例もいたことから、疼痛についての即時的な効果の検証は難しかったが、A さんのように「着けると痛みはマシになる」という意見や「使用しているうちに痛みが軽減してきた」という声も聞かれた。

また、今回の測定の際に一番多く聞かれたのが「トコちゃんベルトを着けていると動きやすい」という声である。骨盤高位で内臓の位置を上げた後、トコちゃんベルトで骨盤を支えることにより、ベルトが骨盤底筋群や骨盤周囲の靭帯の役割をサポートし、骨盤が安定し、動作の安定性の改善に繋がっていることが考えられる。さらに、骨盤底が支えられることによって腹圧を保ちやすくなり、腹横筋や腰部多裂筋などの深層筋群が働きやすい環境が整えられている可能性も考えられる。