私が実感した骨盤ケア・まるまる育児の効果―まさかの全足位自然分娩、外反位足もきれいに ⑤

Ⅳ.福井県の母子の症例紹介

福井県の南部に位置する若狭湾沿岸、嶺南地域には2市3郡4町がある。人口13万6千人で、分娩施設は2市に3施設。京都府舞鶴市が近いため、妊婦検診・分娩のため舞鶴市まで通っている人もいる。バスや電車は運行本数が少なく、移動は基本的に自家用車である。

骨盤ケアの必要な妊婦は、多く存在すると推測されるが、まだ骨盤ケアは広まっておらず、分娩施設での実施はほとんどない。そのため、トコちゃんベルトをインターネットで購入したが、上手く着用できずに悩み来院する妊婦・褥婦が多く、当院来院者は骨盤周囲のトラブルや切迫早産のために来院される方が大半を占める。私が関わったケースを紹介する。

<ケース1>
第1子妊娠中に切迫早産で入院し、妊娠35週、常位胎盤早期剥離のため緊急帝王切開にて2372gの児を分娩。その後、子宮癌検診で要検査となり、円錐切除を実施。第2子を授かり、「今回の妊娠・出産は同じ思いをしたくない」とトコちゃんベルトⅡをインターネットで購入したが、「上手く着用できない」と来院。骨盤ケアとセルフケアを学び、実施。妊娠12週で、子宮頸管縫縮術を受け6泊7日入院。以後、自宅安静で切迫早産兆候なく、37週で予定帝王切開にて分娩。

<ケース2>
第1子妊娠中、切迫早産で入院。友達からトコちゃんベルトⅡを譲り受けて使用していたが、状改善しなかった。今回の妊娠14週のとき、「上の子がいるので入院できない。骨盤ケアを勉強したい」と、第1子のときに使用していたトコちゃんベルトⅡを持参して来院。伸び過ぎていて着用できず新たに購入。着用指導を受けると、着用位置や強さが不適切であったことに驚き、その後、毎日セルフケアに励み正期産で分娩。

妊娠中に“まるまる育児教室”を受講。練習を続け、退院後すぐに“まるまる育児”を実施。「上の子は泣いてばかりだったのに、“おひなまき”に包まれてスヤスヤよく寝てくれて助かる。」と話されていた。

<ケース3>
流産歴のある初産婦。腹直筋離開あり。妊娠14週で骨盤ケアを学びに来院。熱心に実施するも24週から横位が続いた。その後も操体法などに励み、妊娠32週で頭位になり正期産自然分娩。ご夫婦で妊娠中より “まるまる育児”個別指導にて練習され、退院直後から実施。「入院中はなかなか寝なかったが、“おひなまき”に包まれるとほんとによく寝ます!!」と喜ばれていた。

<ケース4>
第1子は「これで良いのか?」と疑問を持ちながらなんとなくしていた“まるまる育児”であったが、第1子の発達面の良さに驚いた。「次回、妊娠したらちゃんと“まるまる育児”を学びたい」と思い、第2子を妊娠され、妊娠32週より“まるまる育児”を学びに来院。成長発達について学び、どのような順番で発達していくのかという視点を遊びに取り入れることで、順調に発達。重心が右に偏るなどの癖があったが、ケアで改善され、重心移動も上手になった。