乳児期・学齢期の子どもの姿から、胎児期・乳児期にできることを考える③

3)感覚に起因する姿勢・運動のトラブル

私たちは、様々な感覚が脳に届き、まとまった情報として処理された結果、姿勢の変化や手足の運動が起きる。感覚の捉えにくさがあると、以下のような姿勢・運動の問題として現れる。

図6 感覚統合
図6 感覚統合

(1)姿勢を保てない

姿勢を保つ、体をしっかり支えるためには、固有受容覚と前庭覚の情報が適切に脳に届き、統合される必要がある。

(2)体の動きがぎこちない

自分の体のイメージの問題。主に触覚・固有受容覚・前庭覚をもとに形成される。

(3)手先が不器用

道具を使うためには、手指の触覚や固有受容覚を使い分けて、道具の違いに応じて手の使い方を柔軟に変える必要がある。

(4)両手が不器用

両手を協調して動かすためには、土台となる体の中心軸が安定している必要がある。中心軸は触覚・固有受容覚・前庭覚をもとに発達する。

(5)動きを目で追えない

何かを見るときに、その方向へと目を動かすことを眼球運動という。眼球運動が稚拙だと、空間の把握、運動や学習のトラブルにつながる。

図7 感覚に起因する姿勢・運動のトラブル
図7 感覚に起因する姿勢・運動のトラブル

このようなトラブルに対する支援では、その土台になっている感覚・運動面へのアプローチが重要である。またこのようなトラブルを予防するためにも、乳幼児期に特定の運動技能や手先の技術を習得することを求めることは効果的ではない。感覚を通して自分の体や環境がどうなっているのか把握し、自分の興味関心のあることを自分の力で達成できるよう関わることが大切である。それが幼稚園・保育園・学校へ入ってからのスムーズな生活につながる。