座長ご挨拶

胎内での育ち方、生まれ方、新生児期の育ち方と不定愁訴や摂食障害とは関係が…?

今から25年ほど前まで、私が大学病院の産科分娩部で働いていた頃、助産師(当時は助産婦)が最も対応に悩むのは、不定愁訴を次々に訴える入院中の妊産婦でした。

「腰が痛い」「脇腹が痛い」「ムカムカする」などの訴えで、専門医に診てもらっても「異常なし」の返事。しかし夜中になると「息苦しくて寝られないんです…」などと、頻繁にナースコール。
入院時に「母子同室・完全母乳育児を希望します」と言っていた方が、産後になると「肩が凝って、頭が痛くて、手首が痛くて…」と、赤ちゃんを抱けないことも…。「一体どうすればいいの?!」と助産師の戸惑いは最高潮に。

今、お産の現場で働いている助産師からは、「不定愁訴+パニック障害の人が一番大変」との声を多く聞きます。また、お産時の痛みに強い不安を感じる方や、家事と育児の両立に悩む方から相談を受けることも多いそうです。

なかには「何回説明してもできない人や、話している最中に全く関係ないことを言い出す人、ごく一般的な話をしても『できないこと強要された!』と訴えられることが多くて、母親教室でも何を話せばいいかわからない」と悩む助産師も。

そんなお母さんに対して、「痛い」「しんどい」と言ってやる気のないワガママなお嬢さんのような人には関わりたくない、と思ってしまうこともあるのではないでしょうか?ですがそれは、あなたが真剣に向き合おうとするからこそでは?お母さんの痛みや苦しみ、解決のための行動を自ら起こせない理由が分からず、対処法に悩んだ末出てきた言葉ではないでしょうか?

どうして多くの不定愁訴を訴える体になったんだろう?どのように母子をケアしたらいいのだろう?どんな方法があるのだろう?そんな疑問解決のヒントが仲真衣さんのお話の中に、いっぱい詰まっています。福岡先生のお話には、ストレスや栄養状態に気をつけて、体重増加にとらわれることなく、より良い子宮環境を目指し、母子が健やかに育ちゆくための最新情報が満載です。

なお、トコ企画のメルマガのコラムNo.342には、仲さんと同じく摂食障害で苦しんだ女性の体験談も載っていますので、ご参考にしていただければ幸甚です。この講演要旨集やメルマガのコラムが、皆さまのお役に立ちますよう願いつつご挨拶といたします。