数々の不定愁訴を乗り越え地域のママへの“伝え人” に変わった私― 助産師のひと言が私と子どもの人生を変えた ⑩

Ⅷ.サロンに来られる母子の現状

開業して感じるのは、大人も子どもも共通して抱える“病未満” の心と体の症状の多さ。人は誰も自分以外の体になったことはない。そのため、便秘で20年も下剤を使っていても、来室理由は別であることがほとんど。骨盤ケアを続けていくと、「皆こんなに楽に生きてたんですね」という言葉が聞かれる。痩せたい、小顔になりたいなど、美容面を気にされて来られた方が、不定愁訴だらけということもしばしば。

現代女性のほとんどは、脊柱のS字状カーブが弱く、内臓は下垂し、背中側のコリが強い。しかし、生まれながらそのような体をしていると、ツライとさえ思わず「これくらいの不調は何でもない」「当たり前」と思い、危機感を抱くこともない。そのため、いざ妊娠するとなると尾をひいてくる問題となる。

自分の状態について無知な人ほど、産後に驚くほど気力が低下し、“まるまる育児” どころではなくなってしまう。「赤ちゃんのときが過ぎれば、あとはもう楽になるから」と無理をして過ごしても、大きくなってから心配な症状が出てきて、子育てが大変になっている人も多い。

来室する子ども達の主訴で多いのは、目(左右の大きさの違い。斜視)(図13)、腰痛、成長痛、噛み合わせや歯並びの悪さ、喘息・アトピー、無気力、入眠・起床に時間がかかる、夢遊病など。そのような症状を治療することは、私にはできないが、姿勢を見るとやはり崩れている(図14)。子ども用のマイピーロを使った体操や“こどもまき” の指導、千葉での渡部先生の施術会を企画し対応しているが、行き届かず、待ったなしの切迫感も感じている。

図13 気になる子ども達の目
図13 気になる子ども達の目
図14 気になる子どもの姿勢
図14 気になる子どもの姿勢

 

恥ずかしながら未だにホームページもないが、口コミで毎月新規の母子が訪れる。おばあちゃんがお友達から聞いて…など、経路は様々。しかし皆、聞いてすぐ来られたのではなく、「TVでおとなまきを見て」「友達のSNSでも見て」「病院でトコちゃんベルトを取り扱っていて」など、多方面で見聞きして、やっと行動に起こす。心理学者のアッシュの同調実験からも分かるように、3~4人から同じ話を聞くと、信憑性が高まり同調率が40%に上がる。個々が口ずさんでいくことで、同じ情報に触れる機会が増えれば世界が変わると私は思う。口コミの力は偉大である。