厳しい妊婦体重管理は必要か?― DOHaDと先制医療から考える ③

Ⅳ.日本の現況

日本の低出生体重児の頻度は、1940 年代後半から1970年代までは、経済的な発展に伴い低下していった(図2)。

図2 低出生体重児頻度の推移(5年毎:1951-2010)
図2 低出生体重児頻度の推移(5年毎:1951-2010)

 

しかし1970 年代半ばからはその頻度は増加に転じ、最近は約10%を推移している。昭和20年代後半と比べてこの頻度は約30%も多い。生物学的には、母親の体格が大きいと出生児体重は大きくな
り、小さい場合には小さくなる。これをMaternal effect と称し、生物学では一つの法則とされている。
ところが、母親の体格は昭和20年代に比べ現在はより大きくなっている。しかし母親の体格が大きくなっているにもかかわらず、小さく生まれる児の割合が多い現象は、頻度の差で考える以上に子宮内栄養環境の劣悪化が生じている可能性が高いといえる。

図3は、女性の痩せ(BMI<18.5)頻度の推移をみたもので、20代女性では20-25%前後を推移しており、4-5人に1人が痩せに分類される。30代女性はその後を追う形で推移している。最近は痩せている女性が少し減少しているといわれているが、更に減少する流れが定着してほしいところである。また15-19歳の女性の痩せ割合が急激に増加しているのは気がかりな現象である。

図3 「痩せ女性」頻度の推移
図3 「痩せ女性」頻度の推移